殺されたのか、生きているのかも不明で。
こうして走っていても、赤い人が背後から追いかけてくるんじゃないかと不安になる。
階段に差しかかって、踏み外しそうになりながらもなんとか駆け下りて。
一階まで走った私と龍平は、その隣にある教室に入って腰を下ろした。
「ハァ……ハァ……な、なんだって一階まで走るのよ……二階で……良かったじゃん」
壁にもたれて、肩で息をしながら龍平に尋ねる。
調べてない場所なら二階にもあるだろうし、何より東棟、西棟や、工業棟にも逃げる事ができるのにさ。
どうしてわざわざ逃げ道がない一階まで下りるかな。
「フゥ……だったら、今から二階に戻るか? 俺はどっちでも良いけどよ」
「か、勘弁して……下りた階段を、また上るなんて……」
龍平の問いに、私は首を横に振って答えた。
嫌なら一階を調べるしかない。
龍平に言われなくても、私にだって分かってる。
赤い人が三階に現れてから、まだそんなに時間が経っていないから、次の校内放送までは時間があるはず。
私より先に呼吸を整えて、すでに室内を探している龍平に目を向ける。