「あーもう。安全なとこ安全なとこ……ん?」


走って逃げる事ばかりを考えていた私の目に、生徒会室のドアが映った。


まだここは調べてないし、どっちかに行って、赤い人に見つかる事を考えたら、この部屋を調べるのも悪くない。


それに……もしかすると、赤い人に罠を張る事ができるかもしれない。


そう考えた私は、視聴覚室のドアを半分だけ開けて生徒会室の中に入った。


うまくだまされてくれると良いけど……とりあえずは、安全だと分かるまでこの部屋にいるしかない。


「うわっ……殺風景な部屋。調べるとこなんてほとんどないじゃないの」


生徒用の机と椅子が少し、先生が使っているようなスチール製の机と椅子がひとつ。


後はロッカーだけといったこの部屋を調べるのに、5分もかからないだろう。


簡単に終わりそうなその部屋を、私は調べ始めた。


「ない……ここにもない。やっぱりこんな部屋にはないのかなぁ」


ロッカー、机の引き出しと、調べるだけは調べたけど……カラダはこの部屋にはなかった。


健司のやつ、いくらこの世界を続けたいからって、カラダの場所を教えないってのはどうよ。