さっき、龍平とバカな話をしていたのは何だったのかと思うほど、嫌な雰囲気だ。
いつもならドアを閉めて教室を調べるところだけど、ここはなぜか開けておきたいという気持ちになる。
「でも、赤い人に見つかりたくないからなあ……」
もしも廊下に赤い人がいたら、絶対に入ってくるだろうし。
仕方なくドアを閉めて、教室の奥に向かった。
この部屋は入り口が高くて、奥に向かうほど低くなっている。
見回すのは楽にできるけど、その分テーブルの下を調べるのは時間がかかる。
めんどくさー。
こういう部屋こそ龍平に調べさせれば良かった。
なんて言っていても調べ終わるわけじゃないよね。
手前のテーブルから調べ始めた私は、椅子を動かして、その下も確認する。
この作業を何度も何度も繰り返して、半分ほど調べ終わった時だった。
『赤い人が、生産棟三階に現れました。皆さん気を付けてください』
ここで、校内放送が流れてしまった。
くぅっ! なんで赤い人はいつも私の邪魔をするかな!?
生産棟三階って……視聴覚室にいたら、追い詰められたみたいなもんじゃない!