も、もしかして、誰かが赤い人に追われてるんじゃないでしょうね!?


その足音は、階段を上る音に変わり……私の方に向かっていた。


だ、誰!?


ここに私がいるって知ってる人はいないはずなのに。


早く逃げなきゃと思う気持ちと、足音の主が誰なのか知りたいと思う気持ち。


そのせいで足が動かずに、踊り場に現れた人影を見ている事しか出来なかった。


そして、その人影はゆっくりとこちらに近づいて来る。


手に持っていた携帯電話をその人影に向けると……。










「よう、やっぱり留美子じゃねぇか。廊下で後ろ姿を見たから、もしかしてと思ったんだよな」









「りゅ、龍平!? ちょっと……おどかさないでよ」


安心して気が抜けたせいか、私はその場に座り込み、フウッと溜め息を吐いた。


「別におどかしてねぇよ。留美子が勝手に驚いたんだろ……ってか、もうちょっと色気のあるパンツはけよな」


下から携帯電話の光を向ける龍平が、ニヤニヤしながら階段を上る。