「いやいや、それだと健司が調べた部屋を誰かがまた調べるかもしれないっしょ? いくら隠してても、すぐに見つかるし、管理なんてできないんじゃないの?」


こういう交渉は苦手だ。


相手の神経を逆なでしないようにするのも、自分より頭の良い奴を相手にするのも、私には向いていないから。


「調べればいいんじゃないか? 皆は俺がどこを調べたか分からない。だけど俺は、皆がどこを調べたかは大体分かる。人が調べた部屋を、もう一度調べる余裕があるならな。でも、そんな事をしていて間に合うのか?」


くぅぅ……確かに残り四日でカラダを全部集めるのは厳しいかもしれない。


でも、健司に人の命をもてあそぶ権利なんてあるはずがない。








……とは、思うけど。


私の頭では、健司を納得させられるような言葉を選ぶ事ができない。


「まあ、留美子も俺のカラダを見つけてくれよ。情報の交換をしようじゃないか。それとだな……真っ赤なレースの下着って。高校生には派手すぎるだろ」


フフッと笑って、健司は教室から出て行った。


高校生には派手すぎるだろ……じゃないっての!