とにかく、私は救われたわけだし……今のうちに西棟側に戻って、調べてない教室から先に行こう。
私の担当を調べてしまえば、誰にも文句を言われなくて済むよね。
「誰だか知らないけど、まだ逃げ回っててよね。できればこっちには来ないでよ……」
残り日数が少ないんだから、ひとつでも多くのカラダを見つけなきゃならない。
最悪、それが無理でも私のカラダだけは全部見つけてしまいたい。
そうでなければ、私は死んでしまうのだから。
ひとつの棟のフロアにカラダがふたつもあったんだから、もうないんだろうなと思いながらも、残る4部屋を調べるために西棟に戻った。
赤い人に邪魔をされて、調べる事ができなかった西棟二階の部屋。
ダメな時はまったく調べられなかったのに、うまく行く時はすんなりと事が運ぶようで。
間もなく二部屋を調べ終わろうとしていた。
「ない……か。このフロアにはやっぱりないのかねぇ?」
ポリポリと頭をかいて立ち上がり、隣の部屋に移動しようと出入り口に向かっていた時。
キュッ……。
キュッ……。
廊下から、誰かの足音が聞こえた。