『アハ、見つけた!』












窓の外で……赤い人が笑いながら言ったその言葉が聞こえたのだ。


ああ……やっぱり見つかっちゃったか。


と、諦めてその場に座り込んだ私。


だけど、赤い人は私の前には現れず……しばらくして、遠くの方でガラスが割れる音が聞こえたのだ。












「え? あれ? 見つかったのは……私じゃなかったの?」


廊下の前後を確認しても、赤い人の姿はない。


私じゃない、他の誰かが赤い人に見つかったのだ。


赤い人を見ませんようにと、祈りながら頭上の窓からそっと顔を出し、中庭を確認する。


んー……東棟も西棟も、ここから見える分にはどこの窓も割れてるようには見えないけど。


キョロキョロと目だけを動かして、その部分を探してみると……。


それは、確かにあった。


「ちょっと、マジで? あんな場所から中に入ったわけ?」


私の正面、玄関前のホールのガラスが、かなり高い位置で割られていたのだ。


赤い人が侵入できるほどの穴が開いていて、そこから校舎の中に入って誰かを追いかけて行ったのだろう。