真っ暗の中に、正体不明の少女が押し入ろうとしている。


照明が消える前に、かすかに見えた小さな足。


それは、どうしてそうなったのか分からないほどに赤黒く染まっていた。


……まさか、これが赤い人?


どうしてよ……ぬいぐるみは捨てたのに、どうして赤い人が来るのよ!


「……いない。ねぇ、どこにやったの?」


部屋の暗さに目が慣れてきた時、眼前の少女は私を見下ろしてそう呟いた。


もしかして、ぬいぐるみを捨てたのは間違いだったの?


私は捨てろって言われたから捨てたのに!!


私が何を思おうと関係ないのだろう。


眼前の少女は、怒りに満ちた目を私に向け、ゆっくりと右手を伸ばして来た。















ガシャン!!


少女につかまれたと思った瞬間、私は窓ガラスを突き破り、外に放り出されていた。


何をされて、私の家が下に見えるのか分からない。


ただ、ひとつだけ分かる事は……私は何もする事ができずに地面に叩き付けられるであろうという事。


どうしてこんな事になったのかな……私、何も悪い事はしていないよね?