まるで汚物を見るかのように、顔を引きつらせながらかがんだ私は、衝撃の事実を目の当たりにしたのだ。


「こ、これ! 私の腕!」


慌てて触れたその左腕は光を放ち、私の左腕に吸い込まれた。


私のカラダがまたひとつ見つかった。


それはうれしい事なんだけど……何だか左腕が臭うような気がしてならない。


「どうせならさ、掃除用具入れとかに置いておいてよ……なんでよりによって便器の中に……」


ガックリと肩を落とし、女子トイレを出た時だった。













『赤い人が、中庭に現れました。皆さん気を付けてください』













その妙な校内放送に、私は首を傾げた。


中庭?


そんな所に現れたって、私達はラッキーなだけじゃない?


中庭から見えないように身を屈めて歩けば良いだけだし、中庭から動きようがないから、次の校内放送まで赤い人を見失う事もない。


「これってボーナスタイム? だったら今のうちに……」


外から見られないようにと、身を屈めて北側にある教室へと移動を開始した私の目に、とんでもないモノが映った。