東棟と西棟をつなぐ廊下。
そこを渡り、西棟の南側を向いて少し考えた。
一番奥の部屋は探したから……次はトイレかな?
夜の校舎のトイレなんて、できるなら絶対に行きたくないけど、そんな事も言ってられないし。
赤い人が来ていないかを確認して、私はトイレに向かった。
シンと静まり返った校舎に、朝から降り続く雨の音だけが聞こえる。
そこにプラスするように、コツコツという私の靴の音。
私と美雪だけがすぐに校舎に入ったけど、皆はどうしたのかな?
やっぱり昨日の続きを探してるのかな。
それにしては、龍平と出会わなかったのが気になるけど……私は私のやる事をすればいい。
そう考えて、まずは男子トイレに入った。
中に入ると、まず視界に飛び込んで来たのは大きな鏡。
うへぇ……夜の校舎のトイレの鏡なんて、嫌な物が勢ぞろいだよ。
これで赤い人が来ようものなら……もう何が来ても怖い物はなくなるんじゃない?
なんて、縁起でもない事を考えながらトイレの奥へと歩いた時。