「龍平に場所を聞けば良かったね。こうして探し続けるのって、時間の無駄な気がしてさ」


教室に入り、私がそんな事を呟いた時だった。


「だったら、もっと考えて行動しなよ。留美子は考えがなさすぎ。自分の言動が、後でどういう事になるか考えないの？」


やっと、美雪が返事をしてくれた。


でも……その内容は私に対する文句で、とても喜ぶ事はできなかった。


確かに美雪の言う通りだよ。


私は頭も口も悪くて、いつも皆に迷惑をかけて。


でも、仕方ないじゃない！


これが私なんだから！


「……私の事が嫌なら、別にそれでも良いよ。でもさ、美雪にカラダの事を教えたかったから……」


普段の私なら、憎まれ口のひとつも叩くところだけど、今は違っていた。


怒りよりも、悲しみの方が大きくて……。


美雪に理解してほしかったけど、それもどうやら無理みたい。


「留美子が言わなくても、龍平が教えてくれたと思うよ」


呆れたように呟いた美雪のその言葉は、私の感情を大きく揺さぶった。


そして、今言われたばかりなのに、言葉が口を突いて飛び出したのだ。