何か、仲直りするきっかけでもあればと、そんな事を考えていたのだろうか。


私は、立ち尽くす美雪の手を取って、生徒玄関の中に足を踏み入れた。


強引に美雪の手を引いて東棟に入った所で、美雪がその手を振りほどき、私をにらみつけた。


「いったい何なのよ! 何も言わないでどこに連れて行くつもり!?」


昨日、龍平が美雪の胸を見つけた……って普通に言っても良いけど、詳しい場所を聞いてないから、嘘をついてると思われそうで嫌だ。


「いい? 東棟の三階のどこかに、美雪の胸があるって聞いたの。だから探しに行くよ」


私の言葉に、少し驚いた表情を浮かべながらも、不思議そうに首を傾げる。


「訳分からないんだけど。どうして私のカラダが東棟の三階にある事を知ってるのに、その場所を知らないわけ?」


「そ、それは……」


龍平がおっぱいを揉んでたなんて言えないし、言わなくてもいいなんて考えは甘かったかな……。


「とにかく、どこかに美雪のカラダがあるんだって! だから探すのを手伝うって言ってるでしょ! 早く行くよ!」


強引でも何でも、美雪にカラダを見つけさせればそれで良い。