などと、安堵の吐息を漏らしていた時だった。
「それにしても……留美子の手って思ったより小さいんだね。子供みたい」
な、なんですって!?
このスラリと長く、細い指を捕まえて、子供みたい!?
あゆみが呟いた言葉に、私は内心カチンとなったけど、あえてそこは耐えた。
「そう言うあゆみだって、手汗がすごくない? ヌルヌルベトベトしてて、気持ち悪いよ」
と、鼻で笑って反論した瞬間。
部屋の壁際に、突然ロウソクの光に照らされた、小野山美紗の姿が浮かび上がったのだ。
「……あなた達、いったい何を握って談笑しているの?」
そう言い、小野山美紗は私達の方にロウソクを向けた。
その光が照らし出したのは……。
私とあゆみの間で、ふたりの手を握っている小さな赤い少女の姿だった。
ロウソクの炎に照らされて暗闇に浮かび上がった赤い人。
ゆらゆらと、炎の揺らめきに合わせるようなその姿は不気味以外の何モノでもない。
「あ……ああ……る、留美子。助け……」
私と同じように、赤い人の手を握っていたあゆみ。
震える声で、私に助けを求めるその表情は虚ろで、目からは涙が溢れていた。