いや、それよりも本当に赤い人がいつ現れてもおかしくない時間だ。
「やだなあ……また赤い人に殺されるの。でも、今日は留美子も小野山さんも一緒だから、あまり怖くないかな」
ヘヘッと笑顔を浮かべるあゆみ。
いや……私は変わらず怖いけど。
赤い人の家。
そこにいる私達を、赤い人はどう思うかが不安だった。
そういえば、赤い人が来る時に他の誰かと一緒にいた事がないから、どうなるのだろう?
どうせ殺されるのなら……最初がいいかな。
あゆみが殺される姿は見たくないし、カラダ探しの前にそんなのを見てしまえば、テンション下がりまくるから。
「あなた達、来たわよ。死ぬ覚悟はできているかしら?」
小野山美紗がそんな不吉な事を言いながら、ベッドの上にいる私達を指差した。
いや、示しているのは私達じゃない。
壁の方……枕がある所のようで。
私とあゆみがゆっくりとそこに顔を向けると……。
「き、来た……どうしよう留美子」
今までそこには枕しかなかったのに、あのぬいぐるみが置かれていたのだ。