部屋に入ったら、燭台のロウソクについていた火。


これは、誰が点火したのか。


他にも誰か人がいるのか、それが気になった。


なんとかお腹がいっぱいになるくらいには食べられた私とあゆみは、奇妙なダイニングルームを改めて見回していた。


やっぱり誰もいるような気配はない。


なのに、部屋にあるロウソクには火がついていて……。


まあ、それを言い出したら、この家の内部がどうしてこんなにきれいなんだってところからの謎なんだけど。


「小野山さん、ずいぶん食べたね。見かけによらず大食いでびっくりした」


ケラケラと笑いながら、テーブルの対面に座っている小野山美紗を見て、あゆみがそう呟く。


それを聞いて、少し頬を赤らめた小野山美紗は、小さく咳払いをして口を開いた。


「食べても、満腹になる事なんてないわ。カラダ探しの空間を維持するのは……エネルギーが必要だから」


「え、じゃあ何? あんたが維持するのをやめたら、カラダ探しが終わるわけ?」