土砂降りでも、帰れる事は帰れるんだけど……風邪をひいて、カラダ探しに影響が出たら大変な事になりそうだし。


「雨、やまないね。やっぱりお兄ちゃんを呼ぶべきかなあ?」


玄関ホールまで移動し、ドアを開けて外を眺めていた私達は、そのすさまじい勢いの雨を前に、呆然と立ち尽くしていた。


「いやあ……ここまで激しいと、車に乗り込むまでにビショビショになっちゃうでしょ」


「やっぱりそう思う? この雨は……反則だよ」


私とあゆみが溜め息を吐いているその背後で、小野山美紗がクスクスと笑う。


何がおかしいんだか。


ここまでひどい雨だと、この雨も小野山美紗が仕組んだ物じゃないかと疑っちゃうよ。


「もう18時過ぎね……夕飯はどうするの? 良かったら出前でも注文する? それくらいならまだお金があるから」


「もうそんな時間なの? どうする留美子。私はどっちでも良いんだけど」


そうだなあ。


たまにはそういうのも良いかな。


出前でも……って、自分で言ってて妙にそわそわしてるし。


この雨じゃあ帰ることもできないから、小野山美紗の提案に乗る事にした。