だけど、まるでこの家が意思を持ってるみたいに。じゃなきゃ、外と中で世界が違うというか、そんな感じだ。
これでますます、小野山美紗が言っていた「世界が元に戻る」という言葉が信憑性を帯びてきた。
外観とまるで違う内装にとまどう私とあゆみ。
呆気に取られて辺りを見回していたけど、階段の中ほどで小野山美紗がジッと私達を見ている事に気付いて、慌てて後を追った。
床もしっかりしていて、本当にここはあの廃屋の中なのかと、まだ信じる事ができない。
「赤い人……小野山美子はこの家で生まれたの。どうして彼女があんな化物になったか……それは父親が関係しているわ」
父親?
父親が美子に何をしたって言うの?
ま、まさかの近親相姦!?
階段を上りながら、小野山美紗の話のひとつひとつにいろんな事を考えてしまう。
もっとズバッと結論を言ってくれれば良いのに。
「ねぇ、留美子。本当に私達、ここにいて大丈夫なの? 何か不気味なんだけど……」