「どういう話の流れで、あなた達が私の家に来る事になるのかしら?」


シトシトと降り続く雨の中、私とあゆみは小野山美紗の後ろを走っていた。


学校の裏手にある、舗装もされていない土手の上を。


「あんたが家が近いって言ったんでしょ。学校にいても暇だし、それなら誰かの家で……って、ちょっと! 泥をはね上げないでよ!」


「留美子、本当に行くの!? いったい何考えてるのよ!」


あゆみは何が分からないのだろう?


雨がやむまで学校にいなかった事なのか、小野山美紗の家に行こうとしてる事なのか。


確かに私には、これと言った考えがあるわけじゃない。


でも、カラダ探しなんて事をさせる奴の家は、少し気になるから。


「フフッ。ただの好奇心かしら? 言っておくけど、決してあなた達にとっては居心地が良い家ではないわよ?」


私達を家に上げたくないのか、遠ざけるように話を持って行こうとする小野山美紗。


……そうは行かないっての!


自慢じゃないけど、私は初めて行った家でも、遠慮なく爆睡する事ができるんだから!


小野山美紗の家がどんな物でも、私には妙な自信があった。