雨がやむのを待っていた私達は、ちっともやみそうにない暗い雲を見上げて、諦めかけていた。


傘がないから、家に帰る頃にはずぶ濡れになるだろうけど、走って帰ろうかな……なんて考えも浮かぶ。


カラダ探しに失敗すれば、誰かが死んで、小野山美紗もただでは済まない。


そんな話を聞いて、あゆみはしゃがみ込んでボーッと何かを考えているようだった。


「やまないわね……雨」


ボソッと呟いた小野山美紗に、私は少しばかりの意外性を感じた。


身の回りの事には特に関心を示さない、氷のように冷たい女だと思っていたから。


「なんだ、あんたも気にしてたんだ、濡れるの」


「私を何だと思っていたの?」


何ってそりゃあ……無関係な人間をカラダ探しなんてイカれたゲームに参加させた、最悪な冷徹女かな?


なんて、とても言えないけどね。


「まあ良いじゃない、そんな事はさ。それよりこのまま待っててもやみそうにないし、濡れるの覚悟でもう帰らない?」


「やみそうにないものね。私は学校の裏の土手を通れば家が近いから、あなた達よりは濡れなくて済むかもしれないわ」


フフッと笑いながら、そう言った小野山美紗。


私はその言葉で、ある考えがひらめいた。