「わ、私はやだ! その話が本当だとしたら……んーん、小野山さんが言ってるなら、きっと本当なんだよね。お兄ちゃんと二度と会えなくなるなら……終わらせたくないよ」
これがあゆみの本心だよね。
誰だって、今いる世界が変わる事なんて望んでいない。
「終わらせない事を選択するのもあなた達の自由よ。でもね、終わらせなければ、誰かが必ず死ぬ。あなた達に、その誰かを選ぶ事ができるの?」
「そ、それは……もしもカラダ探しに失敗したら、小野山さんはどうするの? また他の人にカラダ探しをさせるの?」
「どうもしないわ。カラダ探しが失敗に終われば、私はどうなるか分からない。美子の力に喰われて死んでまうか……良くて永遠に目を覚まさなくなるだけかしらね」
小野山美紗は、私達にカラダ探しをさせて様子を見ているだけかと思っていたけど、そんなリスクを背負っていたなんて。
この話を聞くまで、私は小野山美紗がどうなるかなんて、何も考えていなかった。