後は……あの不気味な女の子。


きれいな女の子というよりも、不気味さが勝っている。


「今日、死ぬか……なわけないじゃん。今からどうやって死ねってのよ。そんな方法があるなら知りたいわ」


家が火事になる? それとも強盗が押し入って殺される?


そんな可能性だったらいつでもあるだろうし、毎日言い続ければいつかは当たるかもしれないね。


バカバカしい。


何もする事がなく、ぼんやりと天井を眺めて、少し時間が流れた。


すると……。












『電話だよ。早く出ないと切れちゃうよ』










枕の横に置いて充電していた携帯電話の着信ボイスが鳴ったのだ。


発信者は……美雪か。


「はいはーい。どうしたの美雪」


『留美子! 私、思い出したの!』


「は? いきなり何! 何を思い出したのよ?」


珍しく美雪から電話があると思ったら……いったい何!?


『去年かな……結子さんが言ってたあの話、覚えてない!?』


あいにく私は美雪と違って記憶力が良いわけじゃない。