それも、龍平を犠牲にする方向に持っていけるように。


「カラダが見つからなかった人は死んでしまうわ。そして、世界はそのまま続く事になる。私がどうなるかは……分からないわ」


やっぱり、健司と話していた通りだ。


「世界? ちょっと、何言ってるの? 訳分かんないんだけど。ねぇ、留美子」


半笑いで首を傾げるあゆみに、私はどう返事をしたものか……。


「あれ? 健司に何も聞いてないの? おかしいなあ……」


別に良いよね、健司のせいにしても。


あゆみに詳しく話してから龍平の悪事を教えれば、絶対に私に味方してくれる。


そう信じながら、私達は小野山美紗の話を聞いていた。


小野山美紗の話を聞いて、あゆみはショックを受けたようで、とまどっているのがその表情から分かった。


そりゃそうだよね。


頑張ってカラダ探しを終わらせようとしてたのに、全員がカラダを見つけてしまったら、世界が変わるのだもの。


そして、変わった世界であゆみは死ぬ事になるのだから。