「格好つけてないで、雨がやむのを待ってるならそう言えばいいじゃない。あ、そうだ。ちょっと聞きたい事があるんだけど、少し話さない?」


隣にあゆみがいるから、別の世界の事を聞くわけにはいかないけど、それでも聞くべき事はある。


「る、留美子。小野山美紗だよ? あんたいつから仲良くなったのよ?」


あゆみの言葉に、私はどう返事をすれば良いのか……。


「な、仲良くなったわけじゃないんだけどさ。カラダ探しの事を聞いてたら、案外普通に話せたって言うか……」


もう、何をごまかせば良いのか。


口を開いて何かを話そうとしながらも、私達の話に入る事ができずに、小野山美紗は口をパクパク動かしていた。


「聞きたい事って何かしら? 私はもう言うべき事は言ったつもりだけど?」


柱にもたれている私達の裏側にもたれ、そんな声だけが聞こえてきた。


見えない所で声だけなんて……何を格好つけてるんだか。


「んとさ、もしも誰かひとりでもカラダが全部見つからなかったらどうなるわけ?」


言葉を選びながら、あゆみに変に思われない質問を投げかける。


できるだけ自然に、あゆみに世界が変わるかもしれない事を教えよう。