私はただ、龍平が見つけた美雪のカラダの事を、いつ話せば良いかと、そればかり考えていた。
龍平を犠牲にして、この世界を維持しようと。
結局、美雪に何も伝えられないまま放課後になってしまった。
昨日の一件から声をかけにくいというか……美雪が私を避けているようで話ができないのだ。
それでも何とか話をしようと、美雪の席に近づいて一言。
「あ、あのさ……」
会話さえできれば、いつもと同じように話せると思っていたけど、美雪の返事は違った。
「私、用事があるから」
小さくそう呟いて、私の顔を見もせずに席を立ち、教室から出て行ってしまったのだ。
やっぱり怒ってるのか。
謝った方が良いんだろうけど……結構時間が経っちゃったし、謝りにくいんだよね。
「うーん、やっぱり皆おかしい。留美子、あんた美雪に何したの? あの子のあんな態度、初めて見たよ」
眉間にしわを寄せ、考え込んでいるような表情で、いつの間にか私の隣にいたあゆみが尋ねる。