「……あゆみ、そんな顔して見ないでよ。ご飯がまずくなるじゃない」
眉間にしわを寄せ、口はへの字に曲がっている。
なんか、怒ってるのかな?
もしかして、メールの返事をしなかったから?
「留美子、やっぱりおかしい! 健司と何を話したのさ?私達に言えない事を話してたの!?」
そりゃあ、言おうとも思ったけどさ……。
言うのが正しいのか、言わないのが正しいのかまったく分からない。
「んー……あゆみ、あんたさ。もしも今日、家に帰ったら死ぬって言われたらどうする?」
「? 何それ……じゃあ帰らない」
「だよねぇ。でも、帰らなくても死ぬって言われたら?」
私の質問に、怒っていた様子の表情が、困惑しているような表情に変わる。
「え……どっちにしても死ぬじゃない」
「死なないためには、武司さんを殺さなきゃならないって言われたら?」
まだカラダ探しの結末は言えない。
だけど、授業中にずっと考えていたこの質問で、あゆみの答えは分かるかもしれないと思った。