誰だって違う場所になんて行きたくないし、そんな所を想像する事もできないから。


「そのために、3人の内の誰かを見殺しにするんでしょ? ひどすぎるよ。世界が変わらなくたって、誰かが死んだ世界が続くって事じゃないの? 今の話だと」


「ああ、そうなるな……でも、他に手段があるか? 留美子はどうしたいか言ってみろよ」


私は……そりゃあ、誰も死なずにこの世界が続けば良いけど、誰も死なないって事はつまり、カラダ探しが成功するって事で……。


成功したら世界の歪みがなくなって、元の世界に戻って……3人は生きていない?


悩む私を、答えなんて決まっていると言わんばかりに見つめる健司。


「別に今答えを出せとは言わないけどな。俺の考えも間違ってはいないと思うんだ」


私は、その言葉に何も反論できなかった。


健司に、「誰にも言うな」と言われて教室に戻ったところでチャイムが鳴り、私は席に着いた。


私はどうしたら良いんだろう。

この世界がなくなってしまうと言うなら、違う世界で存在しないという3人は、何のためにカラダ探しを終わらせるのか。


でも、それは私や健司にも言える事で……。