今の私のまま、世界が変わるの?
もしもそうじゃなかったら、死ぬのとどう違うのかな。
答えなんて出るはずがないのに、難しい事を考えて頭が痛くなってしまった。
健司が戻って来たのは、一限目が終わろうとしていた時だった。
私が話をしていた時間は短かったのに、健司はかなり長い間話してたんだな。
いったいどんな話をしたんだか。
授業が終わり、チラチラと健司の方を見ていたら、それに気付いたのか、私の方に近づいて来る。
「留美子……ちょっと廊下に」
この様子じゃあ、やっぱり世界がどうのこうのって話も信じたのかな?
私は、健司に誘われるままに廊下に向かい歩き出した。
「あれ? ふたりで何かするの? 暇だから私も……」
健司と私の行動を見ていたあゆみが、ニコニコと笑顔で近づいて来たその時。
「ダメだ! 来るな!」
いつもはおとなしい健司が、急に大声で怒鳴ったのだ。
それに驚いたのはあゆみだけじゃない。
私も、教室にいたほぼ全員が、その声で話す事をやめて健司に視線を向けていた。