お姉ちゃんはだまって腕に力をこめた。

「ソムチャイがね」

お姉ちゃんが悲しそうに言う。

「結婚式は予定通りしてほしいって言うの」

お姉ちゃんを見た。

彼なら言いそうだな、と思う。

「延期するつもりだったのに、遺言まで勝手に書いちゃって・・・。そういうやさしい子なのよね」

「うん・・・」

こくりとうなずいた。

「実羽。私ね、赤ちゃんがお腹にいるの」

「え?」