「わかったよ、ここにいよう」
ソムサックがお姉ちゃんに静かに言い、そして私に、
「ありがとう」
と言った。

その目には、深い悲しみが浮かんでいる。


ピーッ

ピーッ


突然、ソムチャイの部屋から大きな音が響いた。

ソムサックとお姉ちゃんがすばやく立ち上がると、
「ソムチャイ!」
と叫んで走り出した。

「え?」

なにが起こったのかわからなくて、ふたりに遅れた。

走りたいけど、これ以上ないくらい足が震えている。