はぁ、とため息。

お姉ちゃんが私の右手に手を重ねた。

「・・・実羽、ありがとう」

前を向いたまま、お姉ちゃんが言葉をこぼした。

「・・・」

「ごめんね」

「・・・ううん、大丈夫だよ。こう見えて意外に平気なんだよ」

そう言って笑って見せるが、お姉ちゃんの表情は固いままだった。

「・・・どうしたの?」

「実羽、ごめんね」

もう一度そう言うと、お姉ちゃんは静かに涙をこぼした。

「え? なに、どうしたの?」

それには答えずにお姉ちゃんはうつむいている。
重ねた手が小刻みに震えていた。