空ではじけた花火が、パラパラと音をたてて落ちてゆく。

「タイは、花火は悲しい、あらわしてる」

「へ?」

「お葬式、わかる? 誰か死んだ、その人の歳の数、花火あげるよ」

「んんん? てことは、悲しみをあらわすために、お葬式で花火をあげてるってこと?」

「そう」

花火に視線を戻したソムチャイの横顔が、花の光に照らされて明るく映る。

「それじゃ、キレイなんて不謹慎だったね」

「フキンシン? なに、それ」

そう言って不思議そうな顔をするソムチャイの手を握った。

「なんでもない、マイペンライよ」

「マイペンライ」

ソムチャイも笑った。