「そう、話を合わせるとそうなるな、って。アイスが言ってたの、ウアンは別にメオのお店をほしいわけじゃない。本当にほしいのは連帯保証人になっているプロイホテルだ、って」

アイスの顔が目に浮かんだ。

「渡辺社長はウアンに話を持ちかけたとき、プロイホテルが手に入るから、と言ったんでしょう? ウアンがプロイホテルを手に入れてしまえば、ひょっとしたらお姉ちゃんが結婚を考え直すかもしれない、って渡辺社長は思った。・・・違う?」

もう渡辺社長は目を閉じて、言葉を発しなかった。


それはあきらめのような、覚悟を決めたような不思議な表情に見えた。