ひょっとして、誰かが助けに来てくれたのかも!

そちらに目を向けると、姿をあらわしたのはTシャツと半ズボンに着替えたウアンだった。
目を細めて私を見ると、あのいやな笑い方をした。

ウアンは鍵を取り出すと、扉を開けて中に入ってきた。

「な、なによっ」

頭の中で警告音が響いた。
ウアンがなにをしようとしているのか、わかりたくないけどわかる。

その目が私を狙う獲物のように、光って見えた。

逃げなきゃ。


逃げなきゃ!

立ち上がってウアンを蹴って逃げようとしたが、ウソみたいに体に力が入らない。

ガクガクと膝が震えて、それが全身に伝わる。