「そう、約束だからね。ミイラ取りがミイラになっちゃ困るんだから」

お母さんの言葉の意味はよくわからなかったけど、私はうなずいておいた。

「じゃ、行ってきまーす」

そう言って手をふると、私は“出発ゲート”と書かれたコーナーへ歩き出した。

「気をつけるのよ! 危ないことしないでね。お姉ちゃんによろしくね!」

人目もはばからず、大きな声で言うお母さんをふりかえる。
困ったような顔をして、片手を口に当てている。

・・・永遠の別れじゃあるまいし。


そう思いながらも、なんだか切なくなった。