すぐさま横に並ぶと、
「うちは父親だけだから。帰ってくるのは毎晩夜中だし」
健治に聞こえるように言う。


「・・・勝手にしろ」
そう言いながらも、健治は歩幅を少しゆるめてくれた。



守の家は、町外れの団地だった。

ずいぶん古い建物らしく、壁がはがれていたり、コケのようなものが覆っていたりした。

103と書かれた部屋のドアを健治が乱暴に叩いた。

「444じゃなくってよかったな」
そう言って私を見る。

冗談なのか本気なのか。