早く。


もっと、早く。


ようやく見慣れていたはずの、


それでいてなつかしい建物が見えると、自然に顔がほころぶ。


はやる気持ちを抑えながら、部屋のチャイムを鳴らす。


息を整え、その瞬間を待つ。



鍵を開ける音。



なつかしい足音がする。



そしてドアが開く。