「あんたねぇ」
低い声で言った亜矢音は、そのまま桜の胸ぐらをつかんだ。
「自分がなに言ってんのか分かってるの?」

そのまま前後に揺さぶる。

「う・・・」
苦しそうに顔をゆがませる桜。

「分かってんのかって聞いてんのよ!」

胸を押されて桜が床に転ぶ。

「・・・」

「弘樹が死んだんだよ!和田まで!それなのに、呪いとかわけの分かんないこと言ってんじゃないよ!」

そこまで言い切ると、亜矢音は唇をかみしめた。

泣きそうなのをこらえているようにうつむく。

「亜矢音」
知佳が駆け寄り、亜矢音の腕を抱く。