「わ、私。そろそろ行かなきゃ」

立ち上がった拍子に椅子が後ろにひっくり返る。

「そ。じゃあ、僕も行こうかな」
スッと立ち上がった正輝が、私が倒した椅子をもとに戻した。

「あ、ありがと」
ドギマギとお礼を言うと、ふたりで図書室を出て歩き始める。


・・・なんだか。

照れくさくって、それでいて、少しうれしい気がした。