ちるちる×スターツ出版特別座談会!ホラーBLについて

2026年3月

「#怖いけど尊い 青春ホラーBLコンテスト第2回の座談会ということで、今回はちるちるさんにいらしていただきました!」


「「よろしくお願いいたしますー!」」


「ホラーBLとひとくちに言っても色々な作品があると思うので、今回はそこの解像度を高めていけたらと思っています!」


「ちるちるさんが、ホラーBLっぽい作品を沢山持って来て下さったので、それを見ながら話しましょう!」

『終末、君と 上』 (C)るぅ1mm/KADOKAWA

『終末、君と 下』 (C)るぅ1mm/KADOKAWA

「沢山ちるちるさんに持って来て頂いた作品がありますが、この『終末、君と』という作品、すごいほっこりした書影ですね。でもこれ、ホラーなんですね?」


「この作品は正確にはBLレーベルから出ている作品ではないですが、実はゾンビものの作品なんです」


「あ、だから“終末”。週末とかけてるんですね」


「そういうことです笑」


「掛け合わせの美味しい部分としては、通常のゾンビものと同じく、大切な人がゾンビになってしまったら…。という部分です。ゾンビは本当は怖いものだし、避けるもの。殺してしまうもの。でも大切な人だから、それでも…。という部分でより二人の互いを想う気持ちが感じられるのが魅力かなと!」


「それはホラーとの掛け合わせによる魅力の大きな部分ですよね。本当は一緒に入れない。普通に考えて、一緒にいれない。でも…、という前提の障害が大きくなるからこそ、そのあとのギャップが大きい」


「今チラッと読んでみたんですけど、ゾンビが蔓延っている世界なのに、そこに暮らしている人にとってはそれが日常なのが面白いですね。もうゾンビという存在が日常に侵食している」


「書影もしかりですよね。ほっこりした日常。でもゾンビがいる世界。ギャップが面白そうです!」


「登場人物にとってはそれが日常になっているのが新鮮で面白そうだなと思いました。少し違いますが、最近のモキュメンタリーホラーに通じる部分もありますね」


「日常の延長線上にある、恐怖。ですね」

『6と7』 (C)凡乃ヌイス/東京漫画社

本当は離れなきゃいけないけどそれでもめっちゃ好き⋯というのが読みどころですね」


「それで言うと、この『6と7』もホラーを掛け合わせる美味しさがある」


『6と7』の主人公は、誰かの亡くなった大切な人に擬態している人外。人間に溶け込んで、人間に養ってもらうかたちで生きています。自分は人間だと思っているけど、でも、実は違うということに気づき始める。しかも、そんな彼と一緒に暮らす人間は、実は彼が人間じゃないことに気づいてるんです」


「ええ?人外サイドと人間サイド、どっちがやばいのかわからなくなってくる」


「人外の存在自体も怖いですが、自分で自分が人間じゃないと気づいてしまうのも怖いですね…」


「「うわあ~~~こわい!!!」」


「こわい、切ない⋯⋯。しかもそれって擬態してるだけで、本人じゃないんですよね?」


「そうです。最初は大切な人の姿だから惹かれていくけど、その人本人ではない。でもこいつはこいつで好きだな⋯というないまぜの葛藤が見せられる展開ですね」


「そういうところは萌える」


「見た目があいつだからいいや⋯から徐々に、中身が違うのが分かっていても、中身込みでこいつを好きだと思う過程に読み応えがあり、美味しいところですね」

人外サイドは攻めが多い?

『あやし道連れ(1)』 (C)はなぶさ 数字/講談社

「『6と7』『あやし道連れ』がどれも攻めが人間じゃない、正体不明なことが多いような印象を受けるのですが、それってなんでだろう⋯?逆だと印象変わるんですかね?」


「それこそ、受けが人外パターンの最近の作品だと、『モンスターアンドゴースト』『ワンルームエンジェル』などが思いつきますね⋯。少しコメディ寄りに振れることが多い印象です」

『ワンルームエンジェル』 ©はらだ/祥伝社

「優しい話や心温まるお話。“背徳感“は弱まる印象です」


「それはなんでなんだろう」


「やっぱり“攻めが受けに常に執着してほしい“からかもしれないですね」


「なるほど」


「人間じゃなくなっても、受けに執着してほしい。相手が人外だと分かっていても絆されちゃう受けを見たい。という願いがあるかもしれないです」

BLというジャンルでは逆張りが好まれる?

「BLっていうジャンルそのものが逆張りを好むジャンル。皆はこうだと思ってるけど実はこうだよね…⁉というのとすごく相性が良い。例えば職場の堅物上司がランジェリーを着ている。優等生真面目な子が実はエッチなど」


「ギャップ萌えが大好きですよね」


「一般的にはこうだけど、それをひっくり返したいという欲望がBLにはある」


「おばけって怖いと思うじゃん⋯でも違うんだよみたいな」


「ゾンビって一般的には人に害をなす生き物だけど、でもじつはゾンビ側にも事情があって…受けにだけは優しくて…など」


「嬉しい誤算という感じですよね」


「ほんとに」


「嬉しい誤算を求めてページをめくっちゃいますね」

ホラーというジャンルについて

「ホラーって言っても本当に色々ありますよね」


「そうですね。今回は広義のホラーでOKです!村系、ヒトコワ系、幽霊、ゾンビ、人外、ストーカー系、狂気系などなど…」


「含まれる要素自体がホラーな作品もOKですし、読み手が受け取る勘定としてゾクッとしたり、恐怖があるのであれば、クラシカルなホラー要素がなくてもそれは本コンテストではホラーとして歓迎したいと思っています」


「物語の展開としても、二人(ないしは複数人)で恐怖から逃げる、立ち向かう。あるいは二人のいずれか自体が恐怖を孕む存在であるといういずれでもOKですよね?」


「そのつもりです!あるいはもちろんそれ以外でもOKです」


「どこまでがホラーかというのは難しいですよね」


「ホラーというジャンル自体、時代によって変わりますからね…。今は先ほども話に出ましたらがモキュメンタリーホラーが人気だったりしますし。幽霊が出てくるというよりも、ヒトコワ、謎解きやミステリー要素の多い作品も増えてきている印象です」


「さっき話に出た『6と7』はモキュメンタリーホラーに近い作りかも?ですね」


「そうですね!続きが気になって、ドキドキしながら読んでしまいました笑」


「本当に色々なホラーをなので広く歓迎したいと思っているので、ぜひ気負わず、作家様の思う青春ホラーBLをご応募頂ければ嬉しいです 」

こんな作品を見たい!

「ちるちるのお二人は個人的にどんな作品が読みたいとかはありますか?」


「私は『6と7』共依存な関係性が好きで…。そういったこの二人が互いにとって絶対に互いじゃなきゃダメ!という作品が読めると嬉しいです」


「共依存は好きな方多いですよね!」

『秘密』 (C))木原 音瀬/講談社

「私は、そうですね。怖さの種類としてひとこわ系も読んでみたいです!さっきの話と重複するのですが、世間では怖い・やばいと思われているけど、でも…な展開。後半でひっくり返される展開があると嬉しいですね。『秘密/木原音瀬』が好きで、ネタバレのためここでは詳細を割愛するのですが、どんでん返しがある作品が読めると嬉しいです!」


「いいですね!特にボーイズライフ部門では、単純に先が気になったり、どんでん返しだったり、そういう物語も大歓迎です!」

『ちるちる賞』について

「最も鬼門になるのが、朗読劇だとどうしてもある程度の登場人物数が必要なことです」


「朗読劇は基本5、6人でやるので、サブのキャラが立っているとありがたい。そのうえでホラーBLとなると⋯もちろん明確なエロシーンなどの描写がなくてもまったく問題ないのですが、もしエロ展開を作るならば、いきなりエロい!!よりも、話の展開に起承転結があって最後にエロ展開の方が、聞いてる側も良いです」


「起伏がないと飽きてしまう為ですね」


「現実問題でいうと、声優さんが濡場シーンをできる程度だと大変ありがたく存じます」


「BLの場合は性行為しているシーンが物語のなかで非常に重要な要素になっているのが多いと思うのですが、そこまでの表現は難しい為、ある場合はご調整になるか、その手前のきっかけ作りが必要になってくると思います」


「基本的には⋯BL好きの人が沸くものかどうかが大きいです」


BLでも肝になる(攻めの執着が目立つなど)作品だと嬉しいです!」

青春ホラーはどこまであり?

『お憑かれさま、黒瀬くん』 ©たこまっちょ/シュークリーム

「青春なので、学生であればOK(大学生も可)です」


ライフ部門はホラーに振り切って怖くて先が気になる!!もありです」


「逆にラブ部門は『お憑かれさま、黒瀬くん』くらいポップで、お化けも怖くない可愛いテンション感も全然ありです」


「ホラーのグラデーションも、恋愛も友情も、自由に掛け合わせていただけると嬉しいです!」

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