【第4回スターツ出版文庫大賞／結果講評】

この度は、「第4回スターツ出版文庫大賞」の開催に際し、多数の作品をエントリーいただき、誠にありがとうございました。

ご応募くださった作家の皆様、そして、作品をお読みくださった読者の皆様に、心より感謝申し上げます。

さて、第4回となる今回は①青春恋愛②ほっこり人情③フリーテーマの3部門に分かれての募集となりました。

3つに分かれたことで、定められたターゲットに向けて、テーマを意識し、作品創りをしていただけたと思います。たくさんのご応募ありがとうございました。

私たち審査員は今回、文章力や構成・展開力などの技術、オリジナリティ、インパクト、作家としての将来性などに重点を置き、厳正なる審査をさせていただきました。

毎年、回を重ねるごとに、作品のクオリティが上がっていくのを、審査員一同ひしひしと実感しております。今回に関しても、筆力、構成ともに、優秀な作品が揃ってエントリーされました。

最終選考に残った作品においては特に、我々の求める基本的な要素はすべて網羅している作品でした。しかしながら、その中でも突き抜けるパワー力のある作品が見られなかったのが残念です。

その結果、受賞は、優秀賞1作、特別賞1作、残念ながら、大賞作は該当なしという結果になりました。受賞作品においての講評は以下の通りとなります。

優秀賞

『透明なぼくらは、この結末を信じない』小谷杏子/著

霊が視える女子高生・真彩と、幽霊の少年・サトル、祓い屋・カナトの可笑しくも切ないストーリー。揺れやブレのない物語展開、ユーモアのある会話のやり取りが丁寧な描写で描かれていました。真彩を初め、サトル、カナトとみな好感度が高く、共感性が持てました。物語前半は、ほど良いライトさでテンポよく読み進められる一方、後半で明らかになる仕掛けには驚かされました。ターゲットとする読者も明快でしたが、残念だったのが良くも悪くも綺麗に収束されたラスト。パンチの効いたラストで締められると大賞へ一歩近づくことができるでしょう。

特別賞

『声にならないほど、声にしたい』hanami/著

妹想いの正義感の強い少年・拓海と、ルーズな風貌の裏に悲しい過去を背負う男・西松。このふたりのキャラクターが非常に際立っていて、彼らの掛け合いが小気味良く展開されていました。物語は拓海を主体として展開されていきますが、西松のキャラが同等かそれ以上に際立っていて審査員の中でも好評でした。物語全体を通して、彼のキャラクターにもっと焦点を置けば、エンタメ性の高い作品として完成するのではと思います。拓海を主体とするか、それに西松を加えるかで、物語の軸が大きく異なるので、どちらかに振り切った構成にすれば、ターゲットが明確になり、込められたメッセージがしっかりと読者に伝えられる作品として勝負できるでしょう。

以上、受賞者のおふたり、おめでとうございます！

今日のこの日を機に、今後益々素晴らしい作品を生み続けていってください。

私たちは、皆様の情熱を受け止め、今後のスターツ出版文庫のさらなる発展に努めていきたいと思います。

今後もスターツ出版文庫のご愛顧をよろしくお願いいたします。

ノベマ！では、これからも様々なコンテストを予定しております。

現在は、「スターツ出版 キャラクター小説大賞」が開催されております。

こちらは大人をターゲットとしたエンターテインメント性の高い作品を募集しております。

皆様の渾身の1作をお待ちしております。

また、一次審査を通過された方への講評は、

サイト登録メールアドレス宛に、個別でお送りさせていただきます。