第2弾:2026年8月

書店員はなさん×BeLuck編集部特別座談会 新感覚BL大賞について

第1弾に引き続き、第2弾をお届けします。

『少女マンガなら叶わない恋』 (C)Howako/libre

書店員はな:『少女マンガなら叶わない恋』も新しいなと思いました。


編集A:確かに新しいですね。最初、この手前の男女のお話なのかなと思ったら、後ろの男子二人なんだ!っていう。


編集C:確かに!1ページ目に少女漫画のヒロインとヒーローがいる。


編集A:でも2ページ目で「あれ⁉」みたいな。


編集C:BLとして出してるから男同士だろうって思うけど、そうじゃなかったら確かに気づかないかも。


編集A:漫画のセオリーみたいなところを裏切ってくれるとすごいワクワクしますよね。漫画玄人はそういうところに「わっ!」て思ってくれるんだろうなって。


編集C:女の子もあまり出さない方がいいのかって、BeLuckでもたびたび話題に上がるんですよね。


編集B:全然女の子も出てきていいですよね。多分共学の方が多いし、そういう絡みは見てみたいなと思います。


編集A:でもずっと壁の位置にいてくれるほうが安心感はあります。

『つぐなおは絶対両思い』 (C)Kannu Ogi/libre

編集A:3人目のキャラクターと言えば、『つぐなおは絶対両思い』にもいますよね。


編集A:『つぐなおは絶対両思い』は女の子のがポジションが男の子なんですよね。3人組の男の子グループで、「おまえら早くくっつけよ」って男の子がずっと突っ込んでる、可愛いラブコメのBLになっています。


編集B:ここが男の子っていうのが新しいですよね。


編集A:2人だけのやり取りじゃなくて、第三者の視点から見させるところですよね。今まで読者がずっと壁だったのに、物語の中に壁ポジが1人いるってとこが面白いなと思います。

キャラクターのリアリティとオリジナリティ

編集B:先ほど、行き過ぎた設定があると「すんっ」てなっちゃうとおっしゃっていたと思うんですけど、それを感じさせずに、新しいことを見せるとなると、キャラのオリジナリティっていうのは結構絡んでくるのかなっていうふうにも思っていて…。


編集C:突然財閥とかでてきても、高校生BLのリアリティに欠けますよね。そういう意外性じゃなくて、そのキャラでしか見られない設定とか、人生観とかセリフっていうのが、新鮮さに繋がるんだと思います。


編集A:そうですね。あと、人間らしさが大事だなって思うんです。能美先輩とかもすごい人間らしいなと感じます。


編集B:悪い部分もいい部分も書いてますよね。チャラチャラしてるけど、実は頭良くて…って。自分が出会った人の中で、特別な雰囲気持ってた子って絶対1人や2人いると思うんですよね。そういうとこからキャラを深掘っていくと、すごくオリジナリティ溢れる魅力的な人物が浮かび上がったりもするのかなってちょっと思ったりします。


編集部C:「クール攻め書こう」みたいなことを頭で考えちゃうと、どこかで見たことあるセリフの連続になっちゃうんじゃないかな、と思っています。実はクール攻めにも種類があるので、それを自分の感性で表現してもらえたら、それはもう新感覚なんじゃないかなって思います。

(C)大麦こあら『能美先輩の弁明』/光文社

編集A:自分が思うかっこいいを落としてみてほしいですね。それが作品の個性に繋がるような気もしています。『能美先輩の弁明』の大麦こあら先生の記事を読んでいたら「大学生の時に賭け事を友達同士でやろうみたいなノリがあって、それに乗りきれなかったのを後悔していた」みたいな話が印象に残っていて…。

(参照記事:BLアワード2025総合コミック部門1位『能美先輩の弁明』作家&担当編集インタビュー♥|BLニュース ちるちる


編集B:当時やりそこねたことって憧れになりますよね。自分が混ざれなかった人に対して、憧れが生まれたり、美化されていくっていうか…もしかしたらこれもキャラ作りのヒントになるのかなとか。


編集C:そういう限られた時間や、見たことある景色って、まさか物語が生まれるとは誰も思ってないじゃないですか。でもそこを思いっきり題材にして物語を進めていくっていうのは、めちゃくちゃ難しいけど親近感湧きますよね。


編集A:傍から見たら接点がなさそうな2人が、実は接点があるの意外性あるし。でもそこに納得感がちゃんとあるのいいよね。


書店員はな:自分は学生のとき電車通学だったんですけど、いつも同じ車両に乗ってる人とかいるんですよね。こういう日常の「その先がもしあったら…」っていうifストーリーが見てみたいです。


編集B:電車の中とかでちょっと距離近くない?みたいな。


編集B:チャラい男子、イケてる男子2人とかでも見てみたいです。


編集C:同じ属性同士のBLっていうのはやったことないのでいいなって思いますね。


編集B:同じ属性同士って絶対書く時に難しいと思うんです。例えば無口脱力系キャラ同士のBLなんて絶対動かせない。でも、そこにチャレンジしてみると新しさがあるかもしれないとも思います。


編集C:一匹狼同士のBLみたいなことですよね。「始まるわけないのに…」っていうところから見たいです。


編集B:人間性はさておき、お前の才能とかは認める!から始まるのもいいですよね。好かれようと思えばいくらでも愛嬌を振りまけるじゃないですか。でもその人しか持ってないその才能のせいで許してしまう…みたいなのってすごいグッときますよね。自分の頑張りではどうにもならないものを目にしたときの憧れって強いと思うんです。


編集C:好きって感情の前に憧れがくると、始まるなって思いますよね。

最後に

編集A:最後に、こういう作品増えたなとか、逆にこういうの読めたらもっといいのにななど、BLというジャンルに対して思うことはありますか?


書店員はな:受けの回想で、「今でもあの時のことが忘れられない」ってなるような再会BLが読みたいです。


編集B:学生のうちってやっぱり選択が狭いじゃないですか。だから別に学生のうちに答えを出さなくたっていいし、大人になってから結ばれるのも熱いですよね。


書店員はな:高校生の時は仲良くて、でも一線は超えてなかったけど、社会人になって再会してから青春をやり直すとか。


編集B:いいですね。学生のうちに答えを別に出さなくたっていいんですよね。


編集A:社会人っていう完成された人間の、入り込む隙間がないとこに入り込んでくっていう良さがある一方で、学生ってまだ未完成な部分があるので、相手に与える影響の大きさみたいな部分が、青春BLだとより良さとして出るのかなと思います。


編集B:BeLuckらしさ、みたいなのは考えず、皆さんには本能のままに書いていただきたいですね。メインが大人の話じゃなければ、再会ものでもアリだと思います。


編集A:そうですね。たくさん話しましたが、皆さまの癖がたっぷり詰まった作品を読めるのがとても楽しみです!


編集B:編集部一同、楽しみに待っています!

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