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火加減と人生 | 対象 タイトル, キーワード, 作家名

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湯気の向こうで、祖母は今日も手を動かす

総文字数/5,663

ヒューマンドラマ4ページ

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この物語には、派手な事件も、大きな奇跡もありません。 あるのは、毎日の台所と、名もなきおばあちゃんの手つきだけです。 煮る。炒める。炊く。蒸す。 おばあちゃんは今日も、特別なことはせず、ただ料理を作ります。 分量は目分量。時間は時計を見ない。 火加減は、鍋の音と湯気の匂いで決める。 「急がせない」「触りすぎない」「待つときは待つ」 その一つ一つの工夫は、料理のためであり、 同時に、人生をうまく生きるための知恵でもありました。 この連作短編は、すべて一話完結。 一つの調理法と、一つの料理、 そしてその背後にある、ささやかな物語でできています。 読者は読むだけでなく、 包丁の音を想像し、湯気を思い浮かべ、 ときには実際に台所に立ちたくなるかもしれません。 それは、この物語が「感情」を説明する代わりに、 「行動」と「体験」で語るからです。 おばあちゃんの料理は、豪華ではありません。 けれど、不思議と心に残ります。 それは、味の奥に、 時間と記憶と、誰かを思う気持ちが 静かに染み込んでいるから。 火を弱め、ふたを少しずらし、 今日も台所に立つその背中から、 私たちはきっと、生き方を教わっています。 湯気の向こうで、 祖母は今日も、何も語らず、手を動かしているのです。
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