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ヒーリング | 対象 タイトル, キーワード, 作家名

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 殴らない回復術師は役立たず——そんな言葉で追放された。剣も派手な魔法もない。私に残ったのは、薬草の知識と土の匂いだけ。  辺境の荒れ地に小さな畑を拓き、ミントとセージ、アザミを植える。風が変わる。最初の客は、迷子の旅人。切り傷に塗った軟膏がよく効いたらしい。二人目は、眠れぬ商人。カモミールの茶で眠り、笑って帰った。  噂は“効能”を連れてくる。いつしか畑の脇に石が積まれ、祈りの言葉が刻まれた。私は神官ではない。でも、生活には“回復”が要る。だから私は、寝床を増やし、簡易診療を整え、旅人に仕事を分けた。  畑は市場になり、通りは巡礼路へ。商人は香草を仕入れ、吟遊詩人は“土の聖歌”を歌う。神殿が手を伸ばしてきたとき、私は笑って断った。「ここは畑です。神殿ではなく、台所と寝床の延長です」  やがて勇者たちも訪れる。彼らの目に映る私は、戦わない、でも世界を“軽くする”術師。ざまぁは叫んで得るものでなく、静かに機能するものでいい。畑は今日も、誰かの心拍をゆっくりにする。
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