夏野オワリさんの作品一覧

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高校二年生の春。 教室の片隅で静かに過ごす湊は、席替えのたびになぜか学校一の人気者・蒼真の近くになる。 たまに話すくらいの関係なのに、席替えの結果が出るたび、少しだけ嬉しくなる。 くじを引く瞬間。 修学旅行のバスで偶然隣になった時間。 文化祭準備で日が暮れるまで残った放課後。 突然の雨に、一本の傘を分け合った帰り道。 卒業アルバム用の写真撮影で並んだ一瞬。 そんな何気ない出来事のひとつひとつが、いつしか特別な思い出になっていく。 けれど蒼真はいつも友人たちの輪の中心にいて、湊はその少し外側にいる。 近くにいるのに、遠い。 手を伸ばせば届きそうなのに、届かない。 そんなある日、担任が何気なく言った。 「このクラスで席替えできるのも、あと三回だな」 その言葉と同時に、湊は気づいてしまう。 終わらないと思っていた高校生活にも、終わりがあることを。 そして、蒼真を好きになってしまったことを。 あと三回。 君の隣になれるかもしれない、そのわずかなチャンスの中で―― 僕はこの想いを伝えられるだろうか。
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