鈴木雪永さんの作品一覧

春雨に触れたくて

総文字数/118

青春・恋愛1ページ

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俺は雨が嫌いだ。 何かを失うのは、いつだって雨だった。 二〇三〇年春。 三重県のとある街では、月と地球を高速で結ぶ夢のようなリニアモーターカー、『トリプル』計画が街の市長竹取オキナによって進んでいた。 高校三年生の小松拳、通称「コブシ」は尊敬する亡き祖父と同じように発明家を目指し、日々努力していた。 高校卒業の日、コブシは教師から突如「『トリプル』計画を止めてほしい」と告げられる。なんと祖父がプロジェクトメンバーだったことを知る。 そして、のちに恐ろしい計画だったことがわかる。 幼馴染のシズクが「水に触れられない」秘密を抱えていることを知る。 触れれば弾かれ、涙すら流せないその異常は、彼女の日常を静かに奪っていた。 彼女を救うため、そして世界を救うため、コブシは月へと向かう。 そこで彼が知るのは、世界を壊そうとする理由と、ある過去の物語。 そして、酸素のない宇宙でコブシは選択する。 全部守ると、決めたから。
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