君はSSS賞

 ——めらめら。
 ライバル出現⁉︎

 「莉子ちゃーん……、『弟みたい』って言われちゃった……。僕たち、三きょうだいだよ……」

 お土産のたこ焼きが入ったタッパーをダイニングテーブルに置いて、椅子にへたり込む。
 リビングにいた莉子ちゃんが隣に来て、背中を撫でてくれた。

「なーに訳わかんないこと言ってんの。出会ったばっかりなのに、弟なんて……大進歩だよ。喜べ喜べ」
「そうなのかな……」
「そうだよ。それに、深くは考えてないと思うよ。……で、部屋に恋人の影とかなかった?」

 莉子ちゃんは抜かりない性格。そんな莉子ちゃんと一緒に育った僕にも、大事なところではちゃっかりする癖がついていた。

「うん。なかったと思う。サッカーグッズがたくさんあっただけ」
「ふむふむ……。でも、サッカー好きはフットサルとかで出会い多いから要注意だよ」
「またそうやって焦らすんだから!」
「ごめんごめん! お家行っただけで今日は大収穫だよ。たこ焼き、いただくね〜」

 莉子ちゃんはたこ焼きを食べながら、僕の話をたくさん聞いてくれた。ひとしきり話した頃には、僕の恋心は焚き付けられ、再び燃え上がっていた。

 テストの返却日。今日は朝も帰りの時間も、コンビニに世那くんはいなかった。点数良かったんだよ、世那くんの応援のおかげだよって伝えたかったのに。

 お母さんに頼まれてスーパーに来た。送られてきたメモを見つつ買い物カゴに食材を詰めていき、レジの近くを通りかかった、そのとき——。

 レジの列に並んでいる世那くんを発見!
 僕は嬉々(きき)として駆け寄ろうとした。……が、急ブレーキをかけることになる。

 レジの店員さんと何やら親しげに話す声が聞こえた。

 バレないようにそっと近づいて、聞き耳を立てる。

「ちゃんと働いてるか見に来た」
 世那くんの声だ。

「俺に会いたかったからだろ?」
「だる! 早く会計しろよ」

 ……店員さんはめちゃくちゃイケメンだった。
 いや、世那くんには及ばないけど。こんな人いたっけ?

 僕は声をかけることができなかった。
 そんなに仲良さそうなところ見ちゃったら、無理だよ。

 僕の知らない世那くんを知っている人。しかも、属性まで強い。無理ゲーでは?

 家に帰って、莉子ちゃんにこのことを話した。

「りっちゃんのために用意された、『名当て馬(めいあてうま)役』だね」

 とだけ言った。どこまでもポジティブな莉子ちゃん。
 代わりに世那くんを攻略してほしい。攻略し終えたら、僕に返してほしい。

 プレイ代行は規約違反ですか? BAN対象ですか?