君はSSS賞

 ——にやにや。
 顔に出まくり、周りにバレまくり。

 期末テスト初日の朝、あのコンビニにミルクティーを買いに行った。
 世那くんがいない時間帯なのは分かってる。でも、日課だからね。しかも、どのコンビニで買っても一緒なら、他のコンビニに行く理由ないし。
 心の中で、自分に言い訳をしていた。

 店内のドリンク売り場でいつものミルクティーを手に取り、レジへ向かう。

「あ! いらっしゃいませー」
 世那くんがレジカウンターの中から、笑顔で声をかけてくれた。
 え! 会えた! ラッキー!!!

「あ、世那くん! おはようございます!」
「おはよう、りっちゃん。土曜なのに学校っすか?」
「はい、期末テストで……」
「お〜、そんな時期か。でも、終わったら春休みっすね。頑張って」

 ——もう全てがやばい。神(かみ)がとう。

 心の中で拝みながら、そのまま学校に向かい、テストを受けた。
 浮かれた心とは裏腹に、頭はしゃきっとしていて、かなりの手応えがあった。

 三時間目まであっという間に過ぎ、帰り支度をしていた。世那くんの顔や、今日言ってくれたことを思い出しながら……。

 すると、クラスメイトの萌(もえ)ちゃんが声をかけてきた。

「今日の科目、余裕だった?」
「ん? どうして?」
「だってりっちゃん、ずっとにやにやしてるよ〜?」
「……んー、まぁまぁ出来たかな!」
「さすが、秀才りっちゃん。じゃ、また月曜から頑張ろうね」

 そう言って、萌ちゃんは去っていった。

 あちゃー、顔に出ちゃってたか……!

 テストの手応えがあったことよりも、世那くんの応援のおかげで頑張れたってことが嬉しかった。
 いつか本人にも、そう伝えられたらいいな。

 家に帰ると、莉子ちゃんがソファでテレビを観ていた。
 高三の莉子ちゃんは、すでに進学先が決まっている。だから今回のテストは手を抜いちゃうんだと、この前話していた。

 「おかえりー」と言いながら、僕をちらっと見て、またテレビに目を戻した。……と思ったら、もう一度こっちを見た。
 綺麗な二度見だった。

「今日も会えたの?」
 莉子ちゃんがにやにやしながら聞いてきた。

「やっぱり顔に出てる?」
「出まくりだよ〜! よかったね! で、何か話せた?」
「うん、あのね……」

 僕は今朝、世那くんが応援してくれて、すごく頑張れたことを話した。
 僕の話を自分のことのように喜びながら聞いてくれた。それがとても嬉しかった。……やっぱり、莉子ちゃんは僕の相棒だな。

「春休み、遊べたりしたら最高だよね。ほら、大学生だとしたら、すでに春休みだしさ」
「え! そうなの⁈ もう春休みなんだ……」

 でも、遊びに誘うなんてハードル高いよ……。