その日は、珍しく雲一つない青く透き通った晴れの日のことでした。
いつものように、本館の図書室の本棚で隠れている隅っこの奥まっているお気に入りの場所で一人静かに座りながら、本を読んでいました。
ここは、滅多に人が来ることはなく一人の時間を過ごすことが出来るのです。
足音が聴こえ顔を上げると黒服の修道服を着たシスターが立っていたのでした。
「ルーナ、探しましたよ」
久しぶりに話しかけられ、おまけに名前も呼ばれ、そして怖い声色。
そんなシスターにルーナはびくとすると、出窓ベンチから素早く立ち上がると頭を上げます。
「シスター、どのようなご用ですか?」
ルーナに緊張が走る。
(私が何か問題を起こしたのだろうか)
しかし、心当たりがない。
間を空けずにシスターは続けて話します。
「本当に手間をかけさせないないでほしいわ。あんたに面会したいと言っている方がいるそうよ」
めんどくささと少しの苛立ちが伝わってくる、そんな口調で用件を伝えます。
ルーナは、シスターの面会したいという言葉に戸惑います。
(私に?面会?)
「はい、シスター」
シスターは向きを変えると、ルーナを待たず図書室の入り口に向かって歩いていきます。
適当に本棚に戻すと、急いでシスターの後を追いかけていきます。
ルーナの前を歩いていたシスターは、思い出したようにルーナにいいます。
「面会の前に物置部屋に着替えがあるからそれに変えてから面会してもらうよ」
図書室を出てから廊下を少し進み、左に曲がると物置部屋があります。
部屋の前に着くとシスターがルーナに早く着替えるように言います。
部屋に入ると、机に広げられた状態のワンピースが置かれていました。
ルーナの体型にぴったりの大きさで新品のようでした。
小さいワンピースを脱ぐ急いで新品のワンピースに着替えていきます。
着替えている最中も、なぜわざわざ着替えるのだろうと考えていました。
急いで廊下に出るとシスターは待たずにどんどん歩きだしたのでした。
しばらく歩くと、渡り廊下に着きます。
そこを通ると、いつもは足を踏み入れない別館に繋がっています。
渡り廊下に通ると、庭で数人のシスター達がルーナを見ています。
歩いているルーナにまで聞こえる声で話してます。
「あんなこの子のどこが良いのかしら?」
「きっと売られてしまうんだわ」
「誰も貰いたくなんてないわよ」
「物珍しいだけよ」
ルーナは、下を向き聞こえないふりをして歩き続けます。
そしてなぜ、着替えたのかということがルーナはシスター達の会話で確信に変わったのでした。
私が早くこの教会を去ってくれればという意味で、少しでもキレイな見た目にしようということなのだと。
残念ながらルーナもシスター達同じ考えなのでした。
(こんな目をした私に何の用事があるというのだろうか。もしかして、本当にシスターたちが言っていたそういうところに連れていかれてしまうのかもしれない)
そんなこと考えているうちに、別館に足を踏み入れていたようです。
いつもと違う見慣れない景色を歩きます。
シスターが、ある部屋で立ち止まった。
どうやら目的の部屋に着いたようである。
「ここで待っていなさい」
「はい」
いつもの扉とは違う、見慣れない立派な扉があり、シスターがその扉をノックします。
「連れて参りました」
「入ってきなさい」
院長の声が部屋の中からするでありませんか。
シスターは、扉の前から退くとルーナに部屋に入るように指示します。
ルーナは身なりを整え、ドアノブに手を掛けます。
心の準備も出来ないまま、ここに来てしまったので緊張しているのです。
緊張をどこか飛ばすためにドアノブを強く握ります。
早く部屋に入るようにシスターが催促し、ルーナはようやく部屋の中に入ります。
すると、部屋の中に入ると長いテーブルと数脚の椅子がありいつもの部屋の内装と少し違うようです。
院長が、手前に立っていてその中の一つの椅子に、一人の男性が座っていた。
「お待たせいたしました。連れて参りました」
院長は、いつもルーナの前では出さない優しい口調でそう告げると、男性は椅子から立ち上がった。
ルーナの前までやって来ると挨拶をしてくれたのでした。
「初めまして、グリフィン・モリスだ」
ふくよかな体型のその男性は、ルーナをじっと見つめていた。
その視線に、怖いと感じてしまった。
院長に催促され、急いで挨拶をする。
「は、初めまして、ルーナと申します」
緊張からなのか、怖さなのか、声が上擦ってしまった。
「ルーナか、良い名前だね。よかったら顔を見せてくれないかな?」
ルーナは、男性の言葉に答えられなかった。
だって答えてしまったら、終ってしまうからら。
「ルーナ、見せてあげなさい」
院長が間に入ります。
「出来ません」
ルーナは、か細い声で抵抗します。
どのくらい時間が過ぎたのだろうか。
しびれを切らした男性は、ルーナの髪を退かそうとする。
突然のことに、驚き反射的に後ずさりをしまい隠れていた目が見えてしまったのです。
男性は、ルーナの目を見た瞬間言った。
「何だその目の色は、醜い」
ルーナは、頭を抱えてしゃがみこむ。
頭の中で、言葉がこだまする。
ルーナの記憶から次々と言葉が蘇る。
「見てみて、あの子のあの瞳の色」
「ルーナの瞳のせいだよ。瞳の色が青いなんておかしいよー」
男性が院長と話をしているのが聞こえる。
「院長、今回の話はなかったことにしてくれ」
男性は、ルーナの横を通りすぎると部屋を出ていってしまいました。
院長は、男性の後を追いかけます。
廊下から話し声が聞こえます。
「悪いがムリなんだ」
院長は、男性に突っぱねられてしまいます。
院長が足音をたてながら部屋に戻った瞬間、院長がルーナの胸ぐらを掴み立たせます。
凄まじい形相で、ルーナの顔を見て怒りだす。
「何度目なの!早く出ていってよ!」
ルーナは、院長に突き飛ばされ手首を床に打ち付けてしまいます。
このあと部屋を出されると、シスターによって林の近くにある物置小屋に閉じ込められます。
「ごめんなさい。ごめんなさい。許しください」
「うるさいんだよ。静かにしな!」
しかし、ルーナの願いなど叶うはずもなく鍵をかけられてしまいました。
物置小屋は、暗く冷たく、風が吹けばガタガタと音がします。
ルーナは、入り口を揺るって開けようとしますが、なかなか開きません。
「開けてください。開けて、開けて、開けてよ」
力なくルーナは座り込む。
何度この物置小屋に入っただろう。
ここは、林が近くて人が近寄らないから見つかる確率は低い。
「またやってしまった。今度こそって思ったのに…」
この教会には、十六歳までに教会から出なければいけないという規則がある。
そして私は、もうすぐ十五歳を迎える。
だからあと少しでここを出なくてはいけない。
当てがなければ、奴隷として売られるか、もしくは年上の好意を寄せてもいない家に奴隷同然の扱いを受けるか。
どちらに転んでも幸せになれず辛い日々が待っているのである。
でも私は、その選択さえもない。
それ以下の存在なのである。
そうそれは、全てこの青色の瞳が原因だった。
この世界の人々の瞳は、緑色の瞳が多く、青色の瞳は珍しいかった。
そんな私は、左右で瞳の色が違う。
左目が青色、右目が緑色をしている。
そのため、関わる人は私の瞳を見ると気味悪がられ、恐れられ、蔑まれきたのだ。
「見てみて、あの子のあの瞳の色、何かに呪われているみたい」
「はぁ」
ルーナは、飛び起きた。
いつの間にか眠ってしまったようで、額を触ると汗を感じる。
今まで、浴びせられた数々の言葉たち。
その言葉の棘がルーナに突き刺さります。
私は、夢でも現実でも苦しまなければならないのだろうか。
ただ瞳の色が青色というだけで、他は皆と同じだというのに。
いつものように、本館の図書室の本棚で隠れている隅っこの奥まっているお気に入りの場所で一人静かに座りながら、本を読んでいました。
ここは、滅多に人が来ることはなく一人の時間を過ごすことが出来るのです。
足音が聴こえ顔を上げると黒服の修道服を着たシスターが立っていたのでした。
「ルーナ、探しましたよ」
久しぶりに話しかけられ、おまけに名前も呼ばれ、そして怖い声色。
そんなシスターにルーナはびくとすると、出窓ベンチから素早く立ち上がると頭を上げます。
「シスター、どのようなご用ですか?」
ルーナに緊張が走る。
(私が何か問題を起こしたのだろうか)
しかし、心当たりがない。
間を空けずにシスターは続けて話します。
「本当に手間をかけさせないないでほしいわ。あんたに面会したいと言っている方がいるそうよ」
めんどくささと少しの苛立ちが伝わってくる、そんな口調で用件を伝えます。
ルーナは、シスターの面会したいという言葉に戸惑います。
(私に?面会?)
「はい、シスター」
シスターは向きを変えると、ルーナを待たず図書室の入り口に向かって歩いていきます。
適当に本棚に戻すと、急いでシスターの後を追いかけていきます。
ルーナの前を歩いていたシスターは、思い出したようにルーナにいいます。
「面会の前に物置部屋に着替えがあるからそれに変えてから面会してもらうよ」
図書室を出てから廊下を少し進み、左に曲がると物置部屋があります。
部屋の前に着くとシスターがルーナに早く着替えるように言います。
部屋に入ると、机に広げられた状態のワンピースが置かれていました。
ルーナの体型にぴったりの大きさで新品のようでした。
小さいワンピースを脱ぐ急いで新品のワンピースに着替えていきます。
着替えている最中も、なぜわざわざ着替えるのだろうと考えていました。
急いで廊下に出るとシスターは待たずにどんどん歩きだしたのでした。
しばらく歩くと、渡り廊下に着きます。
そこを通ると、いつもは足を踏み入れない別館に繋がっています。
渡り廊下に通ると、庭で数人のシスター達がルーナを見ています。
歩いているルーナにまで聞こえる声で話してます。
「あんなこの子のどこが良いのかしら?」
「きっと売られてしまうんだわ」
「誰も貰いたくなんてないわよ」
「物珍しいだけよ」
ルーナは、下を向き聞こえないふりをして歩き続けます。
そしてなぜ、着替えたのかということがルーナはシスター達の会話で確信に変わったのでした。
私が早くこの教会を去ってくれればという意味で、少しでもキレイな見た目にしようということなのだと。
残念ながらルーナもシスター達同じ考えなのでした。
(こんな目をした私に何の用事があるというのだろうか。もしかして、本当にシスターたちが言っていたそういうところに連れていかれてしまうのかもしれない)
そんなこと考えているうちに、別館に足を踏み入れていたようです。
いつもと違う見慣れない景色を歩きます。
シスターが、ある部屋で立ち止まった。
どうやら目的の部屋に着いたようである。
「ここで待っていなさい」
「はい」
いつもの扉とは違う、見慣れない立派な扉があり、シスターがその扉をノックします。
「連れて参りました」
「入ってきなさい」
院長の声が部屋の中からするでありませんか。
シスターは、扉の前から退くとルーナに部屋に入るように指示します。
ルーナは身なりを整え、ドアノブに手を掛けます。
心の準備も出来ないまま、ここに来てしまったので緊張しているのです。
緊張をどこか飛ばすためにドアノブを強く握ります。
早く部屋に入るようにシスターが催促し、ルーナはようやく部屋の中に入ります。
すると、部屋の中に入ると長いテーブルと数脚の椅子がありいつもの部屋の内装と少し違うようです。
院長が、手前に立っていてその中の一つの椅子に、一人の男性が座っていた。
「お待たせいたしました。連れて参りました」
院長は、いつもルーナの前では出さない優しい口調でそう告げると、男性は椅子から立ち上がった。
ルーナの前までやって来ると挨拶をしてくれたのでした。
「初めまして、グリフィン・モリスだ」
ふくよかな体型のその男性は、ルーナをじっと見つめていた。
その視線に、怖いと感じてしまった。
院長に催促され、急いで挨拶をする。
「は、初めまして、ルーナと申します」
緊張からなのか、怖さなのか、声が上擦ってしまった。
「ルーナか、良い名前だね。よかったら顔を見せてくれないかな?」
ルーナは、男性の言葉に答えられなかった。
だって答えてしまったら、終ってしまうからら。
「ルーナ、見せてあげなさい」
院長が間に入ります。
「出来ません」
ルーナは、か細い声で抵抗します。
どのくらい時間が過ぎたのだろうか。
しびれを切らした男性は、ルーナの髪を退かそうとする。
突然のことに、驚き反射的に後ずさりをしまい隠れていた目が見えてしまったのです。
男性は、ルーナの目を見た瞬間言った。
「何だその目の色は、醜い」
ルーナは、頭を抱えてしゃがみこむ。
頭の中で、言葉がこだまする。
ルーナの記憶から次々と言葉が蘇る。
「見てみて、あの子のあの瞳の色」
「ルーナの瞳のせいだよ。瞳の色が青いなんておかしいよー」
男性が院長と話をしているのが聞こえる。
「院長、今回の話はなかったことにしてくれ」
男性は、ルーナの横を通りすぎると部屋を出ていってしまいました。
院長は、男性の後を追いかけます。
廊下から話し声が聞こえます。
「悪いがムリなんだ」
院長は、男性に突っぱねられてしまいます。
院長が足音をたてながら部屋に戻った瞬間、院長がルーナの胸ぐらを掴み立たせます。
凄まじい形相で、ルーナの顔を見て怒りだす。
「何度目なの!早く出ていってよ!」
ルーナは、院長に突き飛ばされ手首を床に打ち付けてしまいます。
このあと部屋を出されると、シスターによって林の近くにある物置小屋に閉じ込められます。
「ごめんなさい。ごめんなさい。許しください」
「うるさいんだよ。静かにしな!」
しかし、ルーナの願いなど叶うはずもなく鍵をかけられてしまいました。
物置小屋は、暗く冷たく、風が吹けばガタガタと音がします。
ルーナは、入り口を揺るって開けようとしますが、なかなか開きません。
「開けてください。開けて、開けて、開けてよ」
力なくルーナは座り込む。
何度この物置小屋に入っただろう。
ここは、林が近くて人が近寄らないから見つかる確率は低い。
「またやってしまった。今度こそって思ったのに…」
この教会には、十六歳までに教会から出なければいけないという規則がある。
そして私は、もうすぐ十五歳を迎える。
だからあと少しでここを出なくてはいけない。
当てがなければ、奴隷として売られるか、もしくは年上の好意を寄せてもいない家に奴隷同然の扱いを受けるか。
どちらに転んでも幸せになれず辛い日々が待っているのである。
でも私は、その選択さえもない。
それ以下の存在なのである。
そうそれは、全てこの青色の瞳が原因だった。
この世界の人々の瞳は、緑色の瞳が多く、青色の瞳は珍しいかった。
そんな私は、左右で瞳の色が違う。
左目が青色、右目が緑色をしている。
そのため、関わる人は私の瞳を見ると気味悪がられ、恐れられ、蔑まれきたのだ。
「見てみて、あの子のあの瞳の色、何かに呪われているみたい」
「はぁ」
ルーナは、飛び起きた。
いつの間にか眠ってしまったようで、額を触ると汗を感じる。
今まで、浴びせられた数々の言葉たち。
その言葉の棘がルーナに突き刺さります。
私は、夢でも現実でも苦しまなければならないのだろうか。
ただ瞳の色が青色というだけで、他は皆と同じだというのに。
