優等生の僕が、問題児に「つまみ食い」されるまで

「のぞむんっ、今日はバイトもないでしょ」
「ないよ」
「じゃあ、テストも終わったし〜イチャつこうよ」
「イチャつくのは、後で。テストの見返し」
「真面目だな〜」

 付き合うことになったが、特に代わり映えしない。キスをするのは、日課みたいになっていた。
 勉強が嫌だという時には、キスをしてあげた。これがご褒美になるのか、微妙だったけど。

 朔弥くんなりに、一生懸命だった。僕が直々に教えていたのもあって、かなりの高得点だった。
 学年で五十位になって、先生が泣いていたっけ。流石は、僕である。

 ちなみに、僕は安定の一位である。それでも、ケアレスミスがあったりした。
 それを今は、復習中である。その隣で、彼ときたら寝そべっている。

 僕の腰に抱きついて、甘えてきている。まあ、可愛いからよしとしよう。

「なあ、僕とだけ居ていいのか」
「どういう意味?」
「……ゴホンッ……他の友達とか」
「あー、あいつらね。いいんだよ」
「そうなのか」
「世界で一番大事なのは、君だけだしっ。キラっ」

 勉強は終わっているが、引っ付いているのが可愛い。そのため、黙って鑑賞していた。
 こいつもだけど、僕も大概だと思う。僕のことを一番に考えてくれて、甘やかしてくる。

 だから、僕もつい甘やかしてしまう。頭を撫でてているが、こいつ以外と癖っ毛だな。
 くるくるしてみたり、軽く引っ張ったりした。なんか面白いが、そこで気になったことがあった。

 まあ、今更な気がするんだがな。僕と一緒に行動しているのは、まあ嬉しいかもしれない。
 だけど、僕と違って友達多いだろ。それなのに、僕を優先していいのものだろうか。

 恥ずかしいが、できるだけ平然を装って聞いてみる。すると何か不満そうな顔をしていて、可愛かった。
 僕の質問に、こっちをチラリを見ていた。そしてアニメだと、シャラっ! っていう効果音がつきそうな顔をしている。

 右目の横で、ピースしている。こいつって、マジでチャラいよな。
 真面目なことを聞いた僕が、間違っていたかもな。まあ、嬉しくないと言ったら嘘になるが。

「俺は、望さえいてくれればいいよ」
「お前……ヤンデレってやつか」
「そうかもな」
「二次元キャラならいいが、三次元はな」
「え〜嫌いなのか」
「そうは……言ってないだろ」

 朔弥くんは、上を向き僕の膝を枕にしている。なんか、妙な感覚に陥ってしまう。
 いつも身長的に、上から見られている。しかし今は、上目遣いになっている。

 そのせいで、いつも以上にドキドキしている。イケメンって、やっぱりどの角度から見てもイケメンなんだな。
 あっ、左の目元にホクロがある。綺麗だなと思っていると、ヤンデレみたいなことを言っている。

 僕が指摘すると、あっさりと認めていた。なんとも、のんびりとした爽やかヤンデレだな。
 まあ、二次元なら可愛い。しかし三次元だと、絶妙なところだよな。

 まあ、別に嫌いではないがな。まあ、好きな人相手ならってやつだな。
 口に出すと、調子に乗るから言わない。自分では思わないが、僕はツンデレらしいからな。

「じゃあ、好きなのか」
「言わなくても、分かるだろ。好きじゃない奴と、つ……きあうほど……僕は暇じゃない」
「なら、よかった。ヤンデレとツンデレで、相性抜群かもな」
「ヤンデレ認定でいいのかよ」
「望がいいなら、意義なし」
「勝手にしろ」
「はーい」

 好きなのかと聞かれ、恥ずかしくなった。だって、真っ直ぐで純粋で綺麗な瞳をしている。
 目を逸らすこともできずに、可愛くない発言をしてしまう。その様子を見て、僕の腰に抱きついてきた。

 頭を撫でると、猫のように擦り寄ってくる。僕猫よりも、犬派なんだけど。
 まあ、犬はゴンザレスで満足だ。だから、一人ぐらい猫がいてもいいかも。

 ヤンデレとツンデレは、相性がいい。そう思っているらしいが、僕は違うと思う。
 ヤンデレは、自分の意のままに相手を動かそうとする。じわじわ好きにさせるタイプと、相手の気持ちを考えないタイプ。

 しかしツンデレは、思っていることと別のことを言ってしまう。好きなのに、嫌いとかだ。
 ヤンデレはツンデレのその絶妙な、機微に気づかずに暴走してしまう。そのため、相性は良くない。

 ――――あくまでも、持論である。

「のぞむん、お腹空いた」
「イチャつきたいんじゃないのか」
「イチャつきたいけど、お腹も空いた。ねえ、食べさせて」
「めんどくさい。僕は減っていな……」
「う〜ん、典型的な音。グウゥ〜だって、かわいっ」

 お腹が空いたようで、甘えてくる。ちょっと、わがままでマイペースである。
 だけどそれが可愛いって、思えてしまう。だって、僕の顔を見上げて見つめてくる。

 今度は、子犬のような円な瞳をしている。猫なのか、犬なのかどっちかにしてほしい。
 僕もお腹が空いたけど、めんどくさいな。今は家に誰もいないから、リビングは極寒になっているだろう。

 ゴンザレスがいれば、もふもふできる。天然の湯たんぽみたいで、あったかくて気持ちがいい。
 しかし今は、トリミングに行っている。大事なことだけど、恋しくなってきた。

 まあ、可愛い彼氏がいるから寂しくないけど。仕方ない、僕のお腹も限界だって言っている。

「何食べたい?」
「のぞむん」
「さて、僕はラーメンでも食べようかな」
「俺もそれがいい〜ふざけないから、食べさせて〜」
「はあ……仕方ない。ついでだから、作ってあげる。ネギとチャーシューでいい?」
「のりも〜」
「いいね。半熟卵も追加しとく?」
「食べる〜美味そっ」

 立ち上がると、朔弥くんも立ち上がった。僕に引っ付いてきたけど、暖かいからいいね。
 リビングに行き、キッチンに到着。あまりにも寒いため、エアコンのスイッチを入れた。

 寒すぎて、風邪を引くよ。まだ十一月にもなっていないのに、今日は寒すぎるよ。
 雪でも、降ってくるんじゃないかっていうぐらいだ。何を食べるか聞くと、ふざけている。

 そのため無視して、インスタントラーメンの袋に手を伸ばす。すると平謝りしてきたため、許してやろう。
 まあ、最初から二袋取っているけど。味噌ラーメンの気分なので、独断と偏見で作らせてもらう。

 異論は認めない、まあ味噌しかないけど。調子に乗った僕らは、色々とトッピングしまくった。
 他にも、コーンやナルトやメンマ。肉も入れたりして、僕たち特製豪華絢爛ラーメンになった。

 ――――晩御飯の材料を使ったため、怒られたのは言うまでもない。

「春木、桑島の次のテストも楽しみだな」
「先生。任せてください。次のテストは、百点を見せますよ」
「えっと、俺のいけ」
「そうか、楽しみだ。任せたぞ」
「んは、無視なのね」