――視界を埋めるのは、白銀の桜。 血に汚れた指先が、僕の頬を静かになぞる。 「泣くな、綾空(あやそら)。……また、会える」 その温もりだけが、私の世界のすべてだった。 ――あれから、数百年。 あの日と同じ、ひどく赤い空の下。 私は、君にもう一度出会う。 ――ねえ、今度は。 二度と、その手を離さないから。